最終章
- RICOH RICOH
- 2024年12月9日
- 読了時間: 4分
魔宮殿―
部屋の中で、緊張した面持ちで
落ち着きなく右往左往…
椅子に腰かけて、服を握りしめては、また立ち上がり………
顔は寸分前から引きつったまま、百面相を繰り返している
「…クスクス……ダイヤ様…」
遠慮なく笑みを零す使用魔たち
『間もなく来る。ダイヤ、落ち着け(笑)』
忍び寄る目玉蝙蝠から、馴染みの声が聞こえてくる
「…わ、分かってますよ💦💦」
思わず言い返した、その時
魔法陣が現れ、ベルデと共に姿を見せた2魔…
「!!」
途端にダイヤはシャキッとして、直立不動で立ちすくむ
「ダイヤちゃん、お待たせ。連れてきたよ。
イザマーレ前世とリリエルちゃんの前世…Anyeちゃん」
ベルデに紹介され、深々とお辞儀をするダイヤ
「現世における大魔王后様…ですね。初めまして。
ご招待、ありがとうございます」
立ち振る舞いは、まさしく最高貴族の気品
ペコリとお辞儀をして挨拶を交わす仕草に
ふんわりと花の香りが漂う
(//////)
ガチガチの緊張が最高潮に達し、真っ赤になったまま
動けないダイヤを、頭の上から爪先まで視界に捉え
イザマーレ前世は無表情のままだ
(…か…かっちょいい…もう少し若い頃の閣下じゃん…💦
メチャクチャ、こ、怖い…(^-^;)
己に鍵をかけることなど知らないダイヤから
聞こえてくる饒舌な心の声に、フッとほくそ笑むイザマーレ前世
「あああ、あの…あの…その…」
見とれて惚けているだけの自分にハッと気づき
慌てて声を掛けながら、もう一度、深々と頭を下げるダイヤ
「その…っ…知らなかった前世の事とはいえ…💦
すみませんでしたっ…💦💦」
平謝りに謝り続けるダイヤ
Anyeはキョトンとしたまま口に手を当て、イザマーレ前世の様子を窺う
そんなAnyeの髪を撫でて、イザマーレ前世は微笑む
「良かったな、Anye。あいつの代わりに、こいつに謝ってもらえて♪」
「え…や、やだ、会長ったら…ごめんなさい。顔を上げてください
お后様…💦💦」
イザマーレ前世の言葉に、慌てふためくAnye
やがて王室にて、ダンケルと謁見する2魔
礼儀正しく、深々とお辞儀をするイザマーレ前世とAnye
「やあ、よく来たな。先程まで、お前たちの時代にタイムトラベルしていた。
ダイヤの前世も、イザマーレとリリエルの前には骨抜きになったようだな♪
…私が散々、甘やかしても靡かなかったがな(苦笑)」
背後に控えるウエスターレンとベルデが、吹き出しそうになるのを堪える
「…ありがとうございます。きっと…私の力では
ラディアを救う事など永遠に出来なかったでしょう…
こちらの世界のイザマーレ様とリリエル様のお陰です。
ダンケル陛下にも、とても良くしていただいて…」
「………」
心の底から謝意を伝えるAnye
リリエルであれば、この辺で容赦ない言葉を言い放つ。
調子が外れて、ダンケルは興味深く眺める
「ほう…悪くないな♪
お前ら、せっかく2魔ずつ揃ってるんだ。たまには
パートナーを交換してみたらどうだ?飽きが来なくて楽しいぞ♪」
「…はあ?」
呆れ果て、聞き返すダイヤ
「陛下!!これまで黙ってたけど、いい加減にしてください!!
ダイヤを置いて、どこの誰と遊んでたの?!」
ベルデはやれやれとため息をつきながら、巨大な魔法陣を出現させる
黄金のオーラが解き放たれ、イザマーレとリリエル
2魔に連れられて、ラディアも一緒に姿を現した
「イザマーレ、リリエル、お帰り。」
ウエスターレンが2魔を抱きしめる
「ただいま戻りました。
直前に、なにか聞こえたようですが…」
目を細め、微笑を浮かべるリリエル
「………ちっ」
舌打ちを隠そうともしないダンケルに、
イザマーレは笑いを堪えて、リリエルを抱き寄せる
「陛下。たとえ陛下のご提案でも、それだけは駄目です。
リリエルは吾輩だけで良いのです!!」
「え…閣下…//////」
抱きしめられて、恥ずかしそうに真っ赤になるリリエル
堂々と欲張り王子っぷりを見せつけるイザマーレに
満足そうに笑みを浮かべるウエスターレン
「あー!!ズルい!!ダイヤも~~」
イザマーレとリリエルに割って入ろうとして
ダンケルの元に弾き飛ばされるダイヤ
現職の最高魔たちのやり取りを、ポカンと眺めていたAnyeを
ふんわりと後ろから抱きしめるイザマーレ前世
「吾輩も、Anyeだけで良い。」
胸が高鳴り、真っ赤になるAnyeを見つめ
安心させるように微笑むイザマーレ前世
イザマーレ前世とAnyeのやり取りを
はじめて目の当たりにしたラディア
(やっぱり…敵わないや…あんた達には…)
目を逸らさず、意地っ張りでもなく
誇らしい気持ちになり、自然と笑みを浮かべていた
🌷魔女っ子ラディア Fin.🌷
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