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- RICOH RICOH
- 1月2日
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新天地
夏の酷暑に冬の極寒、竜巻、山火事などの天変地異が多発する現代
地球温暖化だけで片付けられる現象なのか
地球という生命体、すなわち、惑星の寿命が数億単位の歳月を経て
ゆっくりと終焉に向かっているのではないか・・・
星の寿命だと捉えるならば、仕方のない話
考えても仕方がないと、これまでは蓋をして目を逸らせば良かった
いつかは、そうなる
その「いつか」は、遠からず、目の前に迫っているのかもしれない
具体的な打開策を、真剣に考えなければいけない
宇宙を支配する悪魔や森羅万象を司る神々は
時空を超えて存在し得る生命体なので、地球が消滅しても
何の問題もない
問題は、地球に蔓延る悪性腫瘍、知的生物たちの処遇だ
そこで、地球とよく似た性質を持つ惑星を構築し
移住する事となった
まず、新たな居住区が、人間に耐えられる環境なのかを
徹底的に調査する必要があり、各界隈から選び抜かれた精鋭たちを
送り込み、そして、定期的にサミットを開催し、情報共有し合う事となった
生命が抜け出し、もぬけの殻となった地球は
すぐさま荒野となり、悲惨な末路を迎えることを危惧していたが
天変地異という自浄作用を遠慮なく繰り返した結果、
広大な土地の大半は海水に飲み込まれ
人類が生活できる区域は、ほんの僅かに縮小された
だが、むしろ空気は澄み渡り、大地には再び豊かな木々が芽生え
美しい姿を奇蹟的に保っている
新たな居住区を構築するにあたり、最も重要なのが土地台帳の作成だ
大地があり、その上に区画を構築し、そこに数字を当てはめていくと、
それが地番になる。地番ごとに割り振った区域がひとつの住所となり
初めて所有することが許される私有地となる
人々が行き交う為の道が作られ、道で区分けされた一帯を町と呼ぶ
町の中に店が作られ、ようやく最低限の生活基盤が整う
今回は、まったくの更地に文明を構築するのではなく
地球上のそれを模倣すれば良いのだ
だが社会はナマモノ。経年変化もあれば、単純なミスも生まれる。
発生したエラーは貴重な情報源として収集し、適宜修正を加えていく。
あとは、お互いの関係性を維持させるための信頼回復に努める
そのために必要なのは「説明」だ。
「説明」は、すべてが真実とは限らない。
伝えるべき事柄とこちらの言い分を盛り込んだ上で
相手に誠意を示すための型に嵌めることができれば、
大抵の事は丸く収まる
その時に重要になるのが、起きている事象の全てを
正確に把握することだ
思い込みや勘違い、保身のための言い繕いは
事象を歪ませ、さらなる悪意を生み出しかねない
とはいえ、情報を操作するのが人間である以上
感情が入り込む余地は常に残しておかなければならない
弁明の余地がないとなった時、唯一の救いとなるのは
「感情」であったりもするのだ
この「説明文」を作成するのが小原 由奈に与えられた主要業務。
彼女はこの分野に於いてスペシャリストであった

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