introduction

尺度

人間界には杓子定規という言葉がある

一定の、決められたルールの中で生きる者に対し

使われる言葉だ

自分の殻に閉じこもり、その中だけで

無限ループを繰り返す者がいる

定規

物事の大きさを測り、見定める為の便利な道具だ

だが、その最大値は己の中にある尺度にすぎず

殻に閉じこもってばかりの者は、その尺度がどんどん

小さく頼りないものになっていく

そこに築かれる世界は、箱庭のように小さく

なんの意味もなさない

少なくとも、悪魔が支配する魔界は

そんな甘ったれに居場所を提供できるほど、生易しい世界ではない

やがてその実体が消滅し、輪郭を失い、本来の姿、泡沫になり果てる

まるで、かの国の大魔王后に思えるだろう？

心配は要らない。

人間界に残る奴の器が、己の尺度で作り上げた

架空の話に過ぎない

我々の住む世界にいるあいつは、もう少し、マシな奴だからな。

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